037 広島県 千光寺の玉の岩

【Introduction of Iwakura37】


□分類:通信利用のための岩石遺構(広義のイワクラ)

□信仰状況:祭祀されていない

□岩石の形状:巨岩単体

□備考:人工物、鏡岩とセットで通信に用いられたと推測


□住所:広島県尾道市東土堂町

□緯度経度:34°24'38.67"N 133°11'55.51"E

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 広島県尾道市の千光寺は弘法大師が806年に開基したと伝えられ、源氏の武将である多田満仲が中興となっています。ご本尊は33年に一度だけ開帳される秘仏、千手観世音菩薩です。この千光寺には巨石群が存在しており、磐座信仰のあった山に寺院が建てられたものと考えられます。

本堂と大師堂の間に、ひときわ目立つ三角錐の巨岩があり、玉の岩と呼ばれています。

玉の岩の頂上部には、直径14センチ、深さ17センチの穴があいているそうです。

現在は、この穴の上に電灯が載っていますが、昔は、ここに宝玉がはめてあり、夜になると光って行き交う船の安全を見守っていたと伝わります。

次のような伝説が残っています。

「昔、むかし、そこには美しくかがやく石があったそうな、皆ありがたがって拝んでいたんじゃそうな。それを聞きつけた中国の皇帝が、それがぜひ欲しいということで使いをよこしたそうな。その使いはその玉を盗んだまではよかったが、あわてていて尾道水道に落としてしまったそうな。ー『隠された神話(稲田全示、尾道市役所、2008)』」

この伝説から、尾道の海を玉の浦と呼ぶようになったとのことです。

宝玉がどのような仕組みで光っていたのかは不明ですが、周りが見渡せる岩石に窪みを穿って、この穴に油などを入れて火を焚き、狼煙をあげて離れた場所と通信を交わしていた例があり、この玉の岩も通信に使われた装置の可能性があります。

 『イワクラ学初級編(平津豊、ともはつよし社、2016)』より

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