039 広島県 千光寺の御船岩

【Introduction of Iwakura39】


□分類:天文利用のための岩石遺構(広義のイワクラ)

□信仰状況:祭祀されていない

□岩石の形状:巨岩組 中心部は上部の双岩

□備考:人工物、岩石遺構と太陽の関係の分類 スリットB-3型  


□住所:広島県尾道市東土堂町

□緯度経度:34°24'38.33"N 133°11'54.47"E

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広島県尾道市の千光寺の境内には、玉の岩、鏡岩、夫婦岩、鼓岩、くさり山、三重岩などの名前が付いた岩石が存在していますが、筆者が最も重要と考えるのが御船岩(みふねいわ)です。

下から眺めると複雑な岩が積みあがり、頂上部に特徴的な御船岩が据えられています。この形が船の帆に見えることから御船岩と名付けられました。

御船岩の2つの岩によって形成された曲線の隙間(スリット)が重要です。

尾道市大学の稲田全示教授らは、2008年頃に、この曲線に沿って冬至の朝日が昇っていくという現象を発見しました。

幅のある岩の狭いスリットの方向に太陽の軌道が一致し、さらにそれが冬至という太陽軌道の特異日に起るのですが、自然にこのようなことが起る確率は非常に低いため、古代人が意図的に造ったと考えられます。

冬至の日は、太陽が空に留まっている時間が1年の中で最も短くなります。古代人は、これを太陽が衰弱していると捉えて、冬至の日には、太陽の復活を願って祈りを捧げたのでしょう。この御船岩は、その冬至の到来を告げるために造られた天体観測装置の可能性が高いと考えます。

『岩石遺構と太陽の関係の分類(平津豊、J-AASJ、2022-1 vol4、2023)』では、スリットB-3型に分類されます。

 

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