018 兵庫県 淡路島の舟木石上神社の神石

【Introduction of Iwakura 18】


□分類:磐座(狭義の磐座)

□信仰状況:神社に祭祀されている

□岩石の形状:岩組、岩屋

□備考: 人工物、周辺に岩石群がある


□住所:兵庫県淡路市舟木

□緯度経度:34°32'28.06"N 134°57'06.14"E

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 淡路島の北部に舟木石上神社が鎮座しています。女人禁制の石碑のある鳥居を抜けて参道を歩くと正面に祠と神石が見えてきます。神石の下は空洞になっていて、そこに祠が祀られ、北に向って神石を拝するようになっています。本殿を設けない古い形式を維持しています。地元には、男性が朝日に向って祭事を行なう「日を迎える座」と女性が夕日に向って祭事を行なう「日を追う座」とがあり、前者は男性が祭事を司り後者は女性が祭事を司ってきたので、この舟木石上神社は女人禁制となっていると伝わっています。北側にはドルメン状になった石組があり、中心部分には小さな三角形の石を祀っています。

 一方、この磐座を西側から望むと、二つの岩を三角に合わせその中に小石を置いた岩組があり女陰を模ったものと考えられます。その直ぐ南側に男根を示す巨岩が横たわっています。さらに西には3つの石を組み合わせた列石があり供物を置く祭壇石かもしれません。またその横には2つの石が並んでいて、東西を示す方位石と考えられます。方位石から東を向けば左手に女陰、右手に男根がそびえ、その間から太陽が昇ってきます。「日を迎える座」としてはこの西から東に向う参拝の仕方がもっとも相応しいと考えます。

 この磐座は古代氏族である舟木氏の祭祀施設と考えられています。舟木氏は、伊勢国多気郡の延喜式内社の佐那神社を拠点として造船を行なった氏族です。この近くが伊勢の森と呼ばれているのも舟木氏に因むものでしょう。2017年には舟木石上神社から300メートル離れた舟木遺跡から弥生時代後期の国内最大級の鉄器工房が発見されました。同じ技術集団がこの岩石群を構築したのかもしれません。

『イワクラ学中級編(平津豊、ともはつよし社、2021)』より

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