014 岡山県 高島の子妊石

【Introduction of Iwakura 14】


□分類:石神(広義のイワクラ)

□信仰状況:民間に祭祀されている

□岩石の形状:巨岩単体 

□備考:周辺に岩石群


□住所:岡山県笠岡市高島

□緯度経度:34°25'39.12"N 133°30'07.52"E

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岡山県笠岡の2キロメートル沖合に高島という小島が浮かんでいます。

この西岸の見晴らしの良い山の頂上に子妊石(こはらみいし)があります。巨大な女陰石です。

東西幅約6メートル、南北幅約8メートル、高さ約5メートルの子妊石は、台座の上に3点のみで接触しています。その形状は、窪みが複雑に形成されていて異様です。海水によるタフォニ現象と考えられますが、周りの岩石と比べてこの子妊石だけタフォニ現象が激しいのはなぜでしょうか、別の場所から運ばれてきた可能性が高いと考えます。

高島在住の薮田徳蔵氏によると、子妊石の頂上部と南の下部に牡蠣殻が付着していたそうです。この子妊石は海岸から標高50メートルの位置に持ち上げられて据えられたのでしょうか。

薮田氏によると、子妊石のスリットは沖の天目岩を指していましたが、その天目岩は、江戸時代に外国船を迎え撃つ台にするために破壊されてしまったそうです。薮田氏のスケッチ図を見ると、高さ36メートルの塔のような形状をしており、人工島の可能性もあります。

また、東の海岸には、この子妊石と対となる男根石がありましたが、石材利用のため破壊されてしまったそうです。2001年に、島民によってこの失われた男根石の代わりに幸精龍王神の祠が子妊石の側に勧請されています。

この子妊石には、次のような伝説が残っています。

「力が強い采女と頭の良い猿六は、当時陸続であった明地島との間に水路を掘って瀬戸を造り、豊漁となった漁場で魚を獲っていました。あるとき南の浜の魔亜羅が小山にトンネルを開けて陸地から海に行けるようにし、魚を全部横取りしていました。この漁業権の争いは、大岩を西の山の頂に乗せたものが漁業権を得るということになりました。魔亜羅は急な坂を一気に駆け登りましたが、八合目付近で力尽きて、大岩は浜まで転げ落ちてしまいました。大女の采女は身重の体でしたが一歩一歩確実に登って山頂にたどり着き、大岩を置いたとたん可愛い姫が生まれました。時が経ち、采女は大岩の精となり、美しい女神石に化身して高島の西の海人や女人を護りました。(平津意訳)」

この伝承には、水路を掘る、トンネルを掘る、大岩を山の上に据えるという土木工事の様子が描かれていることから、過去に高島で大きな工事が行われたことを伝えているのではないかと思えます。

 


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