075 京都府  福知山の二俣港石

【Introduction of Iwakura 75】


□分類:目的不明の岩石遺構(広義のイワクラ)

□信仰状況:祭祀されていないが過去に信仰の形跡あり

□岩石の形状:石単体、メンヒル(立石)

□備考:周辺に内宮港石がある


□住所: 福知山市大江町天田内

□緯度経度:35°24’24.11”N 135°09’01.81”E

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福知山市には、元伊勢三社と呼ばれる元伊勢内宮皇大神社、元伊勢外宮豊受大神社、天岩戸神社が鎮座しています。このような地域に2本の小さなメンヒル(立石)が残っています。いずれも豊受大神社と皇大神社をつなぐ綾部大江宮津線沿いにあり、豊受大神社から北に0.4キロメートルの所に二俣港石が、皇大神社から南に0.6キロメートルの所に内宮港石があります。二俣港石は大江町二俣地域に、内宮港石は大江町内宮地域に立てられていますので、村の出入り口に立てて魔の侵入を防ぐ賽の神、又は神域を示す結界石だろうと考ました。

ところが説明看板には、次のように書かれています。「二俣港石は、内宮港石と共に豊受大神の舟岡山が流れないようにとの舟ツナギ石だという伝承がある。動かすと、タタリがあるといわれる。角柱で、三米以上もあるが、河田谷から出る柱状節理の自然石らしい。この石は、昔の宮川の流れに沿って祭られている。川は湾曲して流れ、東流して碇が淵に出て、磯野を戸尾って、由良川に注いでいた。この石も真井の石井の水を守る水戸神のイハクラと見るべき史蹟である。」。

まず「河田谷から出る柱状節理の自然石」と、ことさら「自然物」を強調していますが、別の場所から石を運んで立てている時点で古代の人が造った人工物になります。また「3米」と書かれていますが、高さは1メートル程なので間違っています。それとも地下に2メートル埋まっているのでしょうか。また、どちらの石も横に小さな石が添えてあるのは気になりましたが、方位は出ていませんでした。

後半の「水戸神のイハクラと見るべき」については水戸神をこの石に神降ししていた文献か伝承があるのでしょうか。

この説明で注目すべきは、「豊受大神の舟岡山が流れないようにとの舟ツナギ石である」という前半部分です。水戸神の磐座とする説明とは相反する説明が書かれています。

豊受大神社が鎮座している舟岡山を2つの立石でつなぎとめているという非常に珍しい伝承ですがこれは何を意味しているのでしょう。山は動くことは無いのですが、なぜ舟岡山が動くと考えたのでしょうか。舟岡山が川の流れで削れてなくなることを「山が動く」と表現したのでしょうか。

一方、舟岡山には古墳説もあるそうです。「動く山」は「人工の山」つまり「古墳」を意味しているのかもしれません。ただし、そうであるならばこの港石は古墳時代以前には遡れないということになります。 

岩石の性質が不明ですので、目的不明の岩石遺構(広義のイワクラ)に分類しました。

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