【Introduction of Iwakura 43】
□分類:磐座(狭義の磐座)
□信仰状況:神社に祭祀されている
□岩石の形状:双巨岩
□備考: 周辺に岩石群
□住所:奈良県山辺郡山添村吉田
□緯度経度:34°41'7.9"N 136°4'21.2"E
(googleに入力すれば場所が表示されます)
奈良県山辺郡山添村吉田の岩尾神社は、その昔、神が降臨された際に持参されたと伝えられる巨岩を崇拝している神社です。
標高290メートルの山の頂上には、男岩女岩と呼ばれ二つの巨岩を中心に、たくさんの岩石がゴロゴロしています。
境内の案内板には、次のように書かれています。「大字吉田の氏神で、神社の名も岩尾(いわお・・・大きな石の意)と呼ぶように、巨大な二個の自然石をご神体とし、その間に祠を設けて岩尾大神が祭られている。その昔、この地に神が降臨された際、持参されたと伝えられる襷の跡のある巨石、馬の蹄跡のある石、一荷にして運ばれたという庭の石などがあり、箪笥、長持、葛籠石、鏡石などと名付け、巨石崇拝の伝承として極めて貴重な存在となっている。」
東の男岩は特に大きく、表面に石英や長石で形成されたペグマタイトのラインが十字に走っている珍しい岩石です。2つの巨石の間に小さな祠を置いていますが、これは、後から便宜的に付け加えたもので、この神社のご神体は、男岩と女岩の磐座です。また、この岩尾神社では、子供たちが川原で拾ってきた石を参拝者が買い求めて神様に供える夏祭「石売り行事」が行なわれます。石に対して特別な思いを持っていたことがうかがえる神社です。
『イワクラ学初級編(平津豊、ともはつよし社、2016)』より
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『イワクラ学初級編』より抜粋しています。