139 沖縄県 安慶名城の石碑(アゲナグスクのセキヒ)

【Introduction of Iwakura 139】


 □分類:磐座(狭義の磐座)

□信仰状況:民間に祭祀されている

□岩石の形状:石単体

 □備考: 石碑を信仰対象、石碑は新しい時代に造られている


□住所:沖縄県うるま市安慶名

□緯度経度:26°22'51.39"N 127°51'01.07"E

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約50メートルの岩山の断崖を利用して石垣を築いたグスクで、石垣は2重になっていて、沖縄では珍しい輪郭式グスクです。14世紀頃に安慶名大川按司(アゲナオオカワアジ)が建設したと云われています。

滑りやすい石灰岩の石段を登っていくと、その安慶名大川按司の墓が現れます。その上には城門が造られています。2~3メートルの自然の岩盤に穴を開けて造られた幅1メートル程の門です。頂上の平場に出ると、眼下に闘牛場を見下ろすことができます。

この内郭には、ナカグスク【Introduction of Iwakura 138】と同じように、複数の拝所が設けられています。、

内郭西側には、石灰岩の上に石碑が置かれ、その前に香炉が置かれています。石碑には「天帯子(テンタイシ)の結(ムス)び/具志久美登繁座那志(グシクミトウハンザナシ)/中が世うみない母親」と彫られています。「具志久美登繁座那志」が神名だと思います。

他にも、「天帯子御世(テンタイシウユウ)/安慶名宇志仁大主(アゲナウシジンウフヌシ)/中が世丑(ウシ)のみふし」と「天正子(テンシヨウシ)の結(ムス)び/大兼久眞澄繁座那志(ウフガニクマスミハンザナシ)/中が世うみない母親」と彫られた石碑が祀られており、これらも「安慶名宇志仁大主」神と「大兼久眞澄繁座那志」神を祀る場所と考えられます。

石碑の材料に、石灰岩ではなく砂岩を用いているところが特徴的です。

ナカグスク【Introduction of Iwakura 138】では、「石灰岩は風化速度が速く、直ぐに形が崩れてしまいます。永続性を失っている岩石に対して、本州におけるような岩石信仰は発展しにくいと考えます。」と述べましたが、それを裏付けるかのように、ここでは、直ぐに崩れる石灰岩ではなく、拝む対象として砂岩を用いています。

神名の彫られた石碑を依り代として神降ろしを行っていたと推測し、磐座(狭義の磐座)に分類しました。

なお、石碑はその彫り方から、新しい時代のものと推測します。

 

 

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