【Introduction of Iwakura 4】
□分類:天文利用のための岩石遺構(広義のイワクラ)
□信仰状況:祭祀されていない、 白石龍神社との関係は不明
□岩石の形状:巨岩組
□備考:人工物、岩石遺構と太陽の関係の分類 スリットB-3型、周辺に岩石群
□住所:愛媛県松山市勝岡町
□緯度経度:33°54'25.3"N 132°42'32.1"E
(googleに入力すれば場所が表示されます)
篠澤邦彦氏は、2008年1月に偶然通りかかった白石の鼻という場所の三つ石のスリット部分に春分秋分の日の入りの太陽が入ることを発見され、さらに三つ石の対岸にある亀石には冬至の日の入りと夏至の日の出の太陽が、三つ石と亀石の間の石列には夏至の日の入りの太陽が入ることを次々と発見されました。
ここで、スリットと呼んでいるのは、三つ石の逆三角形の穴の部分ではなく、その左上の細い隙間です。このスリット通して太陽が見えるのですが、これがいかに計算されつくした事なのかを理解してもらうには少し説明が必要です。
遠くの光源と観測者の間に穴を開けた画用紙を置き、観測者が画用紙の穴を通して光源を見るのは簡単です。しかし、この画用紙を筒に変えた場合、観測者がその穴から光源を見るのは難しくなります。画用紙の筒と光源を平行にし、そのライン上に観測者が立たないと見えません。三つ石のスリットも石の幅があるので、この筒のようなものです。顔を1つ分動かすと、もう、向こう側が見えないのです。そのような条件のライン上に春分と秋分の太陽が入るのです。太陽は曲線を描いて沈んでいきますから、スリットと太陽の沈む曲線が交わったピンポイントの条件を満たして初めて起る現象です。それが、さらに春分と秋分の日という特別な日に起るのです。これは、三つ石が計算されて造られたことを意味しています。さらに、この現象をこの方向から観察すればいいとでもいうように、オレンジの線が入った石まで据えてあります。
『岩石遺構と太陽の関係の分類(平津豊、J-AASJ、2022-1 vol4、2023)』では、スリットB-3型に分類されます。
『イワクラ学初級編(平津豊、ともはつよし社、2016)』より
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『イワクラ学初級編』より抜粋しています。