068 広島県 天ノ岩座神宮の磐座

【Introduction of Iwakura 68】


□分類:磐座(狭義の磐座)

□信仰状況:神社に祭祀されている

□岩石の形状:巨岩群

□備考:中心に天照大御神を祀る巨岩、その周辺に9つの岩石


□住所: 広島県安芸高田市甲田町

□緯度経度:34°38'31.93"N 132°46'07.26"E

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 広島県の中央に位置する大土山周辺は、数多くの遺跡や古墳が存在し、縄文時代から人々が暮らしていた場所でした。

1969年に、栗原基氏は、『日本書紀』に「是の時に、素戔嗚尊、安芸国の可愛(え)の川上に下り到ります」と記述されていることから、素戔嗚尊は、江の川で、脚摩と手摩に出会い、八岐大蛇を退治して、奇稲田媛とともに出雲国の簸の川上に遷ったとの説を発表しました。さらに『広島史話傳説』によると、栗原基氏は、ある日、鷹ノ巣山から北を見ると、大土山が不思議な瑞雲に包まれていました。これぞ神話の可愛の川上の地ではないかと考えて、急ぎ大土山に登ってこの巨石群を発見しました。霊能者といわれていた溝口似郎氏に判定を求めて、この地が天照皇大神の神跡であることが判明したそうです。

地元には、この場所は、大昔、神々の神議の場であったという言い伝えがあり、人が立ち入らない場所でした。

1982年には、溝口似郎氏、中西旭氏、横井時常氏らによって一週間の祈祷が執り行われ、その3日目には龍が出現したと言われています。

この場所を天ノ岩座神宮と呼び、溝口氏が初代の宮司となりました。「神宮」と言う名前ですが、神社本庁には所属しない宗教施設です。

一の鳥居から二の鳥居へ向う道は、谷になっており、登りきったところに、天ノ岩座神宮が鎮座しています。目の前にある二の鳥居にたどり着くには、一旦谷を降りて登らなければなりませんが、この地形が天ノ岩座神宮の神格を高めています。

天ノ岩座神宮には、社殿はなく、岩石を磐座として祀る原初の磐座信仰の形式をとっています。中心に天照大御神を祀る、最大の巨岩があり、その周りに神々の名が付いた9つの岩石が取り巻いています。

大土山は800メートルの山ですが、天ノ岩座神宮は688メートルのピークの1つにあたります。谷に囲まれた見晴らしの良い山の上に磐座が鎮座し、眼下に雲海が広がっている光景は神秘的です。

 

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