【Introduction of Iwakura 28】
□分類:磐座(狭義の磐座)
□信仰状況:神社に祭祀されている
□岩石の形状:岩群
□備考: 周辺に岩石群
□住所:岡山県玉野市八浜町
□緯度経度:34°33'32.50"N 133°57'51.72"E
(googleに入力すれば場所が表示されます)
岡山県の児島の標高403メートルの金甲山(きんこうざん)は、奈良時代に坂上田村麻呂が由加山の鬼を退治するための戦勝祈願としてこの山に金の甲を埋めたという逸話によって金甲山と呼ばれていますが、古くは「甲の峰」「神の峰」と呼ばれた聖山です。
古代においては、現在の岡山市のあたりは穴海であり児島の一帯は島でした。
『古事記』の国生み神話では、伊弉諾尊と伊弉冉尊が、淡路島、四国、隠岐島、九州、壱岐島、対馬、佐渡島、本州と生み、ここまでを大八島(おおやしま)国としました。そのあと、国生みを続けたのですが、最初に「吉備兒島を生みき。またの名を建日方別(たけひかたわけ)と謂う」と書かれています。
それほど重要な島でした。海路で吉備国に入る場合、この児島の金甲山が立ち塞がるため、吉備国の要所であったと考えられます。
この金甲山の頂上には、祠が祀られている岩があります。その周りにも環状に岩が並べられており、磐座祭祀が行われていたと考えられます。
御祭神は古事記で児島の別名となっている建日方別命で、金甲山の磐座から真北に2キロメートル下った國津神社に江戸時代に遷座しています。
また、地名説話に登場した由加山と金甲山を結ぶ方角は、ほぼ夏至の日の出又は冬至の日の入りの方向になります。由加山も磐座を祀る聖山ですから、この関係を知って由加山を聖山にしたのかもしれません。
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