095 岡山県 正儀港の恵比寿岩

【Introduction of Iwakura 95】


□分類:岩石信仰(広義のイワクラ)

□信仰状況:民間に祭祀されている

□岩石の形状:岩単体

□備考:


□住所:岡山県東区正儀

□緯度経度:34°35'42.47"N 134°03'13.87"E

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岡山県東区の吉井川河口の正儀港に恵比寿岩と呼ばれる岩があります。

岩は巨岩の上に載っており、岩の前に恵比寿像を彫った石の祠が置かれています。

Introduction of Iwakura 94の宇賀神社に弁才天が習合していたように、この場所も七福神信仰の影響を受けたようです。

恵比寿神は七福神の中で唯一の日本の神様です。ただし、このえびす神は記紀に登場しない民間信仰の神様です。

筆者は、この「えびす」は、「クジラ」のことだと考えています。鯨は、小魚を海岸に追い込んで大漁をもたらし、時には海岸に打ち上げられて、人々に肉や骨などをもたらしました。この鯨を「えびす」と呼んで感謝のお祀りをしたのがえびす信仰の始まりではないでしょうか。つまり漂着して豊漁をもたらす神です。これが平安時代に一般に浸透して、「恵比須」という漢字が当てられ福の神となったのでしょう。鎌倉時代になると禅宗の僧侶がお遊びで、ヒンズー教や仏教や道教から大黒天、弁財天などを六人加えて七福神を作り、「恵比須」は、商売繁盛の神になっていきます。したがって「蛭子」も「事代主」も本来のえびす信仰とは関係がなかったと考えています。

さて、この恵比寿岩については、詳しい情報を持っていませんが、恵比寿を祀ったのは古いことではないと考えています。

重要なのは、恵比寿を祀るのになぜこの岩を選んだかです。

岩は見晴らしの良い場所にありますので、恵比寿を祀る前から神聖視されていた岩であった可能性があります。

 

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