【Introduction of Iwakura 45】
□分類:岩石信仰(広義のイワクラ)
□信仰状況:民間に祭祀されている
□岩石の形状:岩群、三つのメンヒル(立石)
□備考:
□住所: 奈良県山辺郡山添村峰寺
□緯度経度:34°40'48.17"N 135°58'32.84"E
(googleに入力すれば場所が表示されます)
布目ダムの南の端に「天王の森」と呼ばれる聖地があります。
立看板には以下のように書かれています。
「天王の森(牛頭天王祭祀)峰寺区 山添村指定史跡(昭和49年7月10日指定)。一種の巨石崇拝と考えられ、山頂の巨岩群に牛頭天王を勧請したので天王の森と呼ばれ、古くから神聖禁忌の地である。布目川の中にある水神の森(水神祭祀)とあわせて、近在の信仰を集めている。なお、布目ダム建設によって、この岩山の一部が道路敷となったが、巨岩は現状のままこの地に保存された。山添村」
牛頭天王が勧請されて天王の森と呼ばれていますが、岩石信仰の聖地と考えられます。この岩石は大変興味深い構造をしており、大きな三つの岩が揃って南西を向いています。またその側にある小さな三つ石も南を向いています。さらに、東側に立岩があり、これは先ほどの大きな三つ岩から東西線を形成しています。
この岩が南の空の星を指していると仮定すると、三つという数から、オリオン座の三ツ星(ミンタカ、アルニラム、アルニタク)を意味しているのではないかという考えが浮かんできます。この三つ星は冬の空で最も目立つ存在であり、その直ぐ下には小三つ星と呼ばれる星も存在するので、この岩石の構造にそっくりです。
これまで紹介してきたように、山添村の古代人は、星に異常とも言える想いを持っていたのですから、オリオン座の三つ星に興味を持っていたとしても不思議ではありません。
また、昔のロケーションを考えるとすばらしい光景が浮かんできます。現在の三つ岩は道路と同じレベルにありますが、ダムが建設される前は、この道路は存在せず、三つの岩は山の上にそびえ立っていたのです。人々は、この三つの岩を遥か下から仰ぎ見ていたことでしょう。
天文利用のための岩石遺構の可能性がありますが、詳細な研究が必要です。岩石自体を神聖視して信仰していますが、祭祀の詳細は不明ですので岩石信仰に分類しました。
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