051 三重県 熊野の花の窟

【Introduction of Iwakura 51】


□分類:信仰設備(広義のイワクラ)

□信仰状況:神社に祭祀されている 

□岩石の形状:巨岩単体、岩壁

□備考:墳墓とされているので信仰設備に分類


□住所:三重県熊野市有馬町

□緯度経度:33°52'48.1"N 136°05'36.8"E

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花の窟(いわや)には社殿は無く、海岸の岩壁を祀っている神社です。45メートル以上の高さがあり、その白い壁は、遠くの海上からでも目立つ存在です。「窟」という名前が付いていますが、深い穴は無く、岩壁の表面には、タフォニと思われる侵食の浅い窪みができています。

この岩壁には伊弉冊(いざなみ)尊が祀られ、岩壁の前には軻遇突智(かぐつち)尊が祀られています。

『日本書紀』の一書には、「伊弉冉尊、火神を生む時に、灼かれて神退去りましぬ。故、紀伊国の熊野の有馬村に葬りまつる。土俗、此の神の魂を祭るには、花の時には亦花を以て祭る。又鼓吹幡旗を用て、歌ひ舞ひて祭る」と書かれており、この神社の事と考えられます。

イザナミは、国産みの後に、神産みを行いますが、火の神のカグツチを産むときに女陰を焼かれて亡くなってしまいます。怒ったイザナギは、カグツチを斬り殺します。このイザナミを葬った場所が花の窟であり、村の人が花を捧げたことから祭祀が始まったとされています。

花の窟神社独特の神事として、2月2日と10月2日に「御綱掛け神事」が行われます。磐座の上から目の前の海岸まで170メートルの綱を渡すという神事です。

御綱は、イザナミが産んだ自然神(風、海、木、草、火、土、水)を表す7本の綱から作られてます。また、御綱には、天照大神、月読尊、素戔嗚尊を表す三流(みながれ)の幡が吊るされます。

 

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